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コンボイの謎(fc)


コンボイの謎(fc)のレビューです。

クソゲーと悪名高い本作ですが、個人的には実にファミコンらしい面白さのある、好みのゲームだなと思いました。もちろん評価は分かれると思いますが…

本記事がこれからこのゲームを遊ぼうか迷っている方の一助となれば幸いです。

 

 

評価(5段階)

ストーリー ☆

システム  ☆☆☆

作りこみ  ☆☆

BGM      ☆

難易度   ☆☆☆☆

総合    ☆☆☆☆

 

ストーリー

ゲームを遊んだだけではどういうストーリーなのか全く分からない。

クリアしても「コンボイの謎」とはいったいなんだったのかもよく分からない。

動かしているキャラも当然トランスフォーマーの主人公だと思っていたらどうも違うらしい。

謎だらけの作品である。

しかし、この説明不足感こそがファミコンのゲームとしての面白さであり魅力でもある。

評価は☆1つだが、むしろ肯定的である。

 

システム

典型的なジャンプアクションだが、このゲームの最大の特徴は、原作通り、人型モードから車モードへトランスフォームできる点である。

人型モードではジャンプと横に弾を打てるが、車モードでは狭い所を通れたり上に弾を打てたりするといった具合に上手く差別化が図られており、それらを使い分けて攻略しなければならず、単純なジャンプアクションとは違ったおもしろさがある。

ファミコンキャラゲーといえば大体原作要素は消滅しがちであるが、このゲームではきちんとトランスフォーマー最大の特徴が組み込まれており、他のキャラゲーと比較するとかなり良ゲーである。

 

作りこみ

発射弾数が増加するアイテム等複数のパワーアップアイテムが用意されている点や通常エンドの他に真エンドが用意されている点については、単純なジャンプアクションにはない面白さであり、アクションゲームとしての作り込みを感じた。

他方、ステージ数は全10ステージと比較的少ない上に、同じステージを使いまわしているステージが複数ある。また、雑魚敵の種類も5種類程度しかおらず、ボスも敵のエンブレムだったりロボットが一定のリズムで上下に移動するだけだったりと、ステージや敵についてはファミコンのゲームであることを考慮してもあまり作りこまれていないといえる。

その他、ゲームをスタートするたびにポリゴンショックを発生させてくる仕様になっており、スタート時には画面から目を逸らす等注意が必要である。

 

BGM

BGMについては、ステージBGMとボス戦BGM共に全ステージ共通で1種類ずつしかなく、ゲームプレイ中ひたすら同じ音を聞き続けることになる(特定のアイテムを取った時等は特殊BGMが流れる)。

しかも、ずっと聞いていても飽きないBGMならよかったが、残念ながらそうではない。

ファミコンらしいと言えばファミコンらしいBGMだった。

 

難易度

このゲームは比較的難易度の高いゲームだが、その最大の理由は自機の絶妙な背の高さと、敵機とその発射する弾の異常な速さにあると思う。

まず、同じく弾を撃って敵を倒しながら進む他のアクションゲーム(ロックマン等)と比較すると、例えばロックマンでは自機と敵機の背の高さが基本的に同じであり、平地なら相互に弾が当たるようになっているのに対して、このゲームでは自機の背が敵機に比べて高く、平地で弾を撃っても基本的に敵機には当たらず、敵機の弾だけが一方的に当たるようになっている。そのため、一応弾を撃てるが、敵機を倒しながら進むのは難しく、基本的には敵機をひたすらよけながら進むゲームになっている。

また、このゲームは「開始2秒で死ぬゲーム」、「気づいたら死んでいるゲーム」などと言われるが、これは敵の弾が2×2ドットと極端に小さく見づらいことに加え(下記画像参照。どれが弾か分かるかな)、そもそも敵機と弾の速さが速すぎて、敵機が画面に出現したことを認識した数秒後には被弾するようになっており、これを避けるのがかなり難しいことによる。敵機の出現位置やタイミングをある程度予測しなければ攻略できず、ゆえに覚えゲーとしての性格が強いが、いかんせん敵の数が多く、避けるタイミングもシビアであるため、覚えて攻略するまでに何度もリトライすることになる。

開始2秒後の敵機と弾の位置

他方、このゲームが高難易度たるのは上記のとおり敵の攻撃ゆえであり、基本的にステージに苦しめられることはない。むしろ、敵が多く出現するステージは極端に難しいが、そうでないステージは驚くほど簡単である。個人的にはステージ2が鬼門でありピークだったと感じた(1番リトライしたのも多分ステージ2だったと思う)。

ただし、ステージ9のステージギミックの難易度だけは異常で、とてもじゃないが攻略サイトなしでは攻略できない凶悪さだった。まだプレイしてない方は是非ご自分であの理不尽さを体感して頂きたいが、気になる方は攻略サイトを見てみるとよいだろう。

 

総評

作り込みの粗さがかなり目立ったが、ちゃんとトランスフォームできる上に攻略しがいのある高難易度ゲーであり、良い意味でファミコンらしく、個人的には満足したゲームだった(クソゲーと評価されるのももっともだが)。

ゲームオーバーになったステージからコンテニューできる裏技もあるため、実はきちんと救済策のある優しいゲームである点も指摘しておきたい。

どちらかというとオススメできるゲームであり、まだプレイしていない方はクリアまでとはいかずとも数ステージ遊んでみて欲しいと思うところである。

 

ここまで本記事を読んでいただきまして本当にありがとうございました。

また次回のレビューでお会いしましょう!

 

過去のファミコンのレビュー記事はコチラ

 

retrog.hatenablog.jp