筆者にとってははじめてのサガシリーズでしたが、とにかく自由度が高くて面白く、1週目をクリアした直後に2週目を始め、一気にクリアしてしまいました。
それほど面白かったです!
なお、このゲームは極力事前情報なしでプレイした方が面白い(面白かった)という筆者の考えから、本記事ではかなり情報を限定してレビューを書いております。
そのため、本記事に書かれていない要素や設定が数多くありますが、そうした点については実際にゲームをプレイして楽しんでいただければと思います。
また、本記事はsfc版ロマサガ2のレビューであり、スマホ版には妥当しない部分もあるためご注意ください。
評価(5段階)
ストーリー ☆☆☆
システム ☆☆☆☆
作りこみ ☆☆☆☆☆
BGM ☆☆☆☆
難易度 ☆☆☆☆☆
総合 ☆☆☆☆☆
ストーリー
一国の皇帝として世界各地を平定しつつ、かつて世界を救ったと言われている「七英雄」の暴走を食い止めるというのがストーリーの大筋です(正確には少し違いますが、ネタバレ回避のためご容赦ください)。
このゲームの特徴の1つとして、ストーリー進行がフリーシナリオ型であり、プレイヤーの行動、選択によってストーリーそのものが大きく変化します。
特定のイベントを進めるか否か、どういった順序や方法で進めるか等非常に自由度が高く、遊ぶ度に異なるストーリーを楽しむことができます。
また、このゲームではストーリー変化に関わるフラグがかなり緻密に設定されており、一見何でもないような行動であっても、その行動によって行ける町や仲間が増えたり、或いは町が滅んだりすることもあり、プレイヤーの意図しないストーリーの変化が起こるのもロマサガ2の醍醐味であると言えます。
ストーリーの内容そのものに関しては、ストーリーを進める中で「七英雄」が暴走した理由が徐々に明らかにされていくのが面白いですが(こちらもプレイヤーの選択次第では全く明かされずにゲームが終わります)、ドラクエやFF等のストーリーに見られるメッセージ性やテーマ性のようなものはなく、その分ストーリーの深みに欠けるところがあると感じました。
システム
戦闘について
戦闘は最大5人パーティーで行われますが、列の概念がないドラクエや前後列の区別しかないFFと異なり、15種類のポジションが用意されており(陣形)、陣形ごとに特殊効果があるため(必ず先行を取れる、特定の人が狙われる等)戦術の組み立ての点でも自由度の高いものとなっています。
基本的にmp管理式の技又は術を使って攻撃し、バフ・デバフ技がある点は通常のRPGと同様ですが、とにかくその種類が豊富で戦術の幅がかなり広いのが特徴です。
技の閃きについて
このゲームの最大の特徴は、戦闘を重ね技を閃きながら(新たな技を覚えながら)パーティーを強化していく点にあります。
ドラクエ等と異なり、レベルアップにより新たな技や魔法を習得することがない代わりに、戦闘中に確率で技を閃き(ただし完全な運ではない)強い敵を倒せるようになっていくというシステムであり、技の種類の多さも相まって戦闘のたびに次はどんな技を閃くことができるんだろうというワクワク感があります。
その他、継承システムや術の研究、武器開発、都市開発等の多数の要素があり、スーファミのゲームながらかなりしっかりと密度のあるRPGになっています。
作りこみ
上述の通り、ストーリーの分岐点の数、イベント数、武器や技、術の種類等どれをとっても他のRPGに比べて圧倒的に豊富であり、終盤まで全く飽きることなくゲームを楽しむことができます。
特に武器や技、術の種類の多さから、それぞれのアニメーションも豊富で面白いです。
また、このゲームは比較的エンカ率が高めですが(完全シンボルエンカウントであり敵を避けながらダンジョンを攻略できますが、通路が狭い、敵の配置数が多い等の事情で実質的にエンカ率が高めになっています)、それに対応するように敵の種類も多く、できる限り戦闘シーンが毎回同じにならないよう工夫がされている点も高評価です。
マップ、ダンジョンの構造についても、砂漠や密林等それぞれのエリアごとに差別化が図られている点が良かったです。
ただ、ダンジョン内部のギミックは同じようなものが多く、もう少し種類があればなお面白かったかなと思いました。
BGM
戦闘BGMはサガシリーズお馴染みの疾走感のあるBGMでゲームの雰囲気にもしっかりマッチしています。非常に筆者好みでした。
オープニングテーマやフィールドBGMも名曲揃いでとても良いです。
ただ、プレイ時間が20〜30時間程度(進め方にもよりますが)とそれなりにボリュームがあるのに対して、特にダンジョン内BGMが2、3種しかなく、ひたすら同じBGMを聞かされているような感覚になってしまった点が気になりました。。
難易度
このゲームはRPGの中ではかなり難しい方だと思います。
ドラクエ等一般的なRPGであれば、どんなに強敵であってもレベル上げさえすれば簡単に倒せるようになることが多いですが、このゲームでは最大レベルまで上げたとしても強い技を閃き、術を習得していなければおそらくクリア不可能となっているのではないかと思います。それくらいラスボスや中ボスが強いです。
また、スーファミのゲームならではの不親切さから、ヒント等がほぼなく、初見では分からないであろう要素や時限イベントが複数あるため、RPG慣れしている人でもそうした要素を見逃して攻略上不利になってしまうことが多々あるかと思われます。
もっとも、このゲームの難しさは理不尽な要素からくる難しさではなく、RPGの基本的な要素を最大限活かしてはじめてクリアできるように設定したことからくる難しさであるため、難易度の高さがこのゲームの面白さに直結しており、良い意味で高難易度ゲームとなっています。
その他にもこのゲームの難易度を上げている要素が複数ありますが、ネタバレになり得るためここでは割愛します。
総評
とにかく自由度が高く、ゲームの要素も非常に多く、何度遊んでも全く同じようにはならないであろう点がこのゲームの最大の魅力です。
通常のRPGとはシステムが大きく異なるため、さまざまなRPGをやりこんできたプレイヤーであっても新鮮な気持ちで遊べることと思われます。
高難易度RPGを遊びたい、ひと味違ったRPGを遊びたいと思っている方はぜひロマサガ2をプレイしてみて下さい!
なお、2023年3月現在、ロマサガは佐賀県とコラボしており、(ラッピング電車はもう終了してしまったようですが)佐賀駅の駅メロがオープニングテーマになっていたり限定グッズが発売されていたりするので、ロマサガファンは是非佐賀県に足を運んでみてください!!(割と定期的に佐賀県とコラボしてるのでラッピング電車に乗りたい方はいずれまた!)
ちなみに筆者は駅メロ聞きに行ってきました。実際に聞くとかなりテンション上がります!
ご飯も美味しいし、意外と観光するところもありますよ♪(魅力度ワースト1位だけど…)
ここまで本記事を読んでいただきましてありがとうございました。
本記事がこれからこのゲームを遊ぼうか迷っている方の一助となれば幸いです!
以下、ストーリーの内容に関するネタバレを含むレビューです。興味のある方のみお読みください(未プレイの方は閲覧非推奨です)。
ネタバレを含むレビュー
ストーリーについて
このゲームは最終的に七英雄の暴走(復讐)を止めるというストーリーであり、ゲーム進行上も各七英雄が中ボスとして重要な役割を果たしていますが、その割には七英雄についての情報や活動の描写が少なく、ストーリーの把握が難しいように感じました。
もう少し七英雄の悪事の描写や、七英雄に関する情報を話す村人NPCがあれば、七英雄を倒す動機もはっきりし、より中身のあるストーリーになったのではないかと思います。
他方、七英雄の秘密等ストーリーの設定については、あまり他のRPGでは見られない設定で面白かったです。
陣形について
せっかく多数のユニークな陣形が用意されているにも関わらず、ほとんどラピッドストリーム一強になっており、他の陣形を使う機会があまりなかった点が残念でした。
まぁ、このゲームはどちらかというと高火力ゲーなので、必ず先行が取れるラピッドストリームが一強になるのは仕方がないことかもしれません。
没データについて
このゲームの解析によると、どうやら没データやおそらく何かしらのイベントの設置が検討されていたと思われる箇所が多々あり、全体マップについても攻略の仕方に関わらず下3分の1は埋まらない仕様になっているようです。
確かにロマサガ2はゲームボリュームがちょうど良く、これ以上の要素やイベントが仮にあったとすれば冗長にすぎると感じていたかもしれませんが、どんなイベントが用意されていたのか気になるところですね。