ふくろうのゲームレビュー

主にレトロゲーのレビューをします

ポケットモンスター アルファサファイア(3DS)

ポケットモンスター アルファサファイア3DS)のレビューです。

昨日、とりあえずストーリーを全クリしたのでレビューしたいと思います。

世間はそろそろスカーレット、バイオレットをクリアした頃でしょうかね。

「主にレトロゲーのレビューをします」と言っておきながら3記事目にして既にそんなにレトロじゃないですがご容赦ください。

基本的にストーリーの内容に関するネタバレは避けていますが、ネタバレを含むレビューを本記事の最後に掲載しているので興味のある方のみお読みください。

本記事がこれからこのゲームを遊ぼうか迷っている方の一助となれば幸いです。

なお、筆者は数年前gba版エメラルドをクリアしています。

 

 

評価(5段階)

総プレイ時間 34時間(途中寄り道しまくってるのであくまで参考までに)
ストーリー ☆☆☆☆
システム  ☆☆☆
作りこみ  ☆☆☆☆☆
BGM     ☆☆☆☆
難易度   ☆
総合    ☆☆☆☆

 

ストーリー

大筋はいつものポケモン(冒険してたらナントカ団の野望を止めることになってて伝説のポケモンを倒してハッピーエンド)ですが、gba版と比較すると大幅に改良されており、内容も濃いものとなっています。

gba版では、ストーリーが非常に単純で、敵がどんな人物なのか、なにが動機なのか等がゲームを遊んでいてもよく分からず(私が見逃しているだけかもしれませんが)、主人公側にもほぼ設定がないため、ストーリーを楽しむというよりは純粋にポケモンの捕獲や勝負を楽しむことがメインになっていたように思われます(当時のポケモンとしてはそれで良かったのだろうと思います)。

しかし、本作ではストーリーの大筋は変えず、他方でシナリオを大量に追加し補完することで、敵の人物像や人間関係、動機、思想等がはっきり描かれるようになり、ただ機械的に悪事を働く敵から人間的で面白みのある敵になったと同時に、ストーリーにも深みが増し、見事にストーリーを楽しむゲームに改良されたなと感じました。

その代わりにジム戦の影が薄くなりオマケ感が強い印象を受けましたが、そこら辺はプレイヤーの好みで評価が分かれるかと思います(後述しますが、よりシンプルに育成、勝負をしたい方にはgba版の方が適しているかもしれません)。

また、gba版ではストーリー上感動する要素は皆無でしたが、本作では演出やBGMも相まって、ところどころうるっとくるシーンや驚かされるシーンもあり、1つの作品としてかなり完成度が高いと感じました。

ストーリーの内容に関するネタバレを含むレビューは後述します。

システム

戦闘システムについては、いつものポケモンなので特筆すべきことはありません。

ポフレやポケトレ、秘密基地等の追加要素に関しては、個人的にはいらなかったかなというのが正直な感想です(まぁリメイクなので新要素を追加せざるを得なかったのでしょうが)。もちろん自分のポケモンとより触れ合いたい人や、戦闘以外でポケモンを強くしたい人、自分だけの部屋をカスタマイズするのが好きな人等にはニーズがあるのでしょうが、シンプルな「ポケモン」を楽しみたい人にとっては不要であり、それに関連するイベントの発生も時間の無駄に感じられてしまいます。ストーリー上チュートリアル以外ではほぼ上記追加要素の実施が強制されなかったためまだよかったですが、少なくとも秘密基地に関してはその要素のためにフィールドの至る所に黒点が付けられ見た目的に悪いですし、隠しアイテムを期待して脇道にそれ、遠回りしたのに、秘密基地要素しかないなんていうこともよくあり、興味のない人にとってはかなり邪悪な要素でした。

まぁ、友だちと通信した時に自分のカスタマイズした秘密基地を見せ合うのは楽しそうですし、当時の子供にはニーズがあったのかなと思います(レトロゲーマーには関係のない話ですが)。

 

作りこみ

そもそも、本作に限らず、最近のポケモンは多様な遊び方ができるようになっており、本作でもチャンピョンリーグや図鑑、コンテスト等複数の要素が用意されています(もちろん通信対戦や育成で最強を目指すのも遊び方の1つです)。

また、このゲームはとにかく演出が良く、随所で任天堂の本気を感じることができます。

例えば、戦闘中ポケモンがフィールドの天候を変化させると、それに対応してコマンド画面である3DSの下画面に天候のアニメーションが表示される仕様になっており(ポケモンが技で雨を降らせると、下画面でも雨が降り始める)、通常では画面に変化のない下画面でも戦闘を楽しめる仕掛けが施されています。

戦闘開始時や技のアニメーション、戦闘中の背景等も従来のポケモンと比較しても動きが多く、臨場感あふれる演出がなされています(もちろん3Dにも対応しています)。

演出については、「特にこの演出が良かった」というのを語りたいのですが、ここではネタバレになるため後述します。

演出以外の作り込みについて、このゲームにはよく探索しないと発見できない要素やアイテムが多々あり(隠し要素というかは別として)、ストーリーに関係のない要素だけでなく、ストーリーを補完する要素も注意深く探索しないと発見できないものがあり、探索のし甲斐があります。

発見できなくてもストーリーの理解に困ることはありませんが(私自身発見できてないものもあると思いますが)、発見するとストーリーがより面白く感じられるため、攻略サイトを見ながらゲームをすることに抵抗がある方でも、クリア後に攻略サイトを参照しながら隠し要素回収の旅をしてみることをおすすめします。

サブクエストとして、特定のポケモンやアイテムを持っていると何かをくれたり交換してくれたりするNPCが各地にいます。そこにストーリーはありませんが、単純にクエスト数で見るとそこそこ充実している方だと思います。

マップについても、複雑な作りになっている箇所やポケモンの技を駆使ししなければ進めない道が多々あり、ポケモンと一緒に冒険するという特徴が最大限発揮されていると感じました。

ストーリークリア後に挑戦できるリーグで、自分の強くな(りすぎてしま)ったポケモンに活躍の場を与えられる点も個人的には嬉しかったです。

 

BGM

本作ではBGMも優れており、演出と相まって、そんなに感動的なシーンでもないはずのにBGMで涙腺を刺激してきます。

戦闘BGMはいつものです。

 

難易度

難易度については少し簡単すぎる気がしました。

特にレベル上げはしていませんでしたが、ストーリー上の各ボスをワンパンで倒せてしまい(或いは倒しちゃいそうになり)、ギリギリの戦いを楽しみたい人にとっては少し物足りなさを感じるかもしれません(使うポケモンにもよるとは思いますが)。また、野生のポケモンを捕まえやすくするためにうまい具合に瀕死状態にするのに逆に苦戦したり、うっかり倒してしまったりすることも頻繁にあったので、全体的にもう少し敵の設定が厳しくてもよかったのかなと思います。

まぁ、自分の可愛いポケモンがどんどんあっさり死んでいくのを見るよりはいいかもしれませんが。

 

問題点

問題点については上記各カテゴリーで指摘した通りです。

敢えて付け加えるならば、ストーリー進行上ポケモンが覚えなければならない技のうち、水タイプの技が3つもあり(1匹のポケモンが覚えられる技は最高4つ)、パーティに水タイプのポケモンが必須+そのポケモンに自由に覚えさせられる技は1つ(水タイプのポケモンを2匹入れていれば別)となってしまっていた点が少し不自由に感じられ、残念でした(もっともこれはリメイク元であるgba版の問題点というべきかもしれません)。

 

総評

本作は、gba版の面白さを残しつつ、ストーリー、システム等総じてgba版よりも圧倒的に改良されており、gba版を遊んだことのあるプレイヤーもそうでないプレイヤーも新鮮な気持ちで十二分に楽しめるゲームとなっています。他方で、本作が全ての点でgba版に優っているかというと決してそんなことはなく、捕獲・育成・戦闘に特化してよりシンプルにポケモンを遊びたい方にとっては(無駄がないという意味で)gba版の方が適しているかと思います(もっとも、登場するポケモンの数は圧倒的に少ないです)。また、ドットのポケモンが好きな方やピコピコ音のBGMが好きな方にとってはもちろん、ポケモンRTAに挑戦してみたい方にもgba版をおすすめします(バッグ回避とかありましたね)。もっとも、このゲームはそういった方にとっても一度は遊んでみる価値のあるゲームだと思うので、未プレイの方は是非。既プレイの方も、この機会に新たな相棒と再び旅に出てみてはいかがでしょうか。

 

ここまで本記事を読んでいただきましてありがとうございました。

本記事がこれからこのゲームを遊ぼうか迷っている方の一助となれば幸いです。

 

以下、ストーリーの内容に関するネタバレを含むレビューです。興味のある方のみお読みください(未プレイの方は閲覧非推奨です)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハイライト

私の中でこのゲームのハイライトとなるシーンは、シーキンセツカイオーガ復活後のアクア団とマグマ団の協力、エンディング後のハルカとの戦闘、からの突然のエピソードデルタの始まり、です。

シーキンセツについては、いろいろとエグくて鳥肌が立つ場所でした。なぜリメイクでわざわざあんな場所を追加したのだろうか。個人的にはあの手の要素は大好物ですが、賛否両論ありそうですし、一応子ども向けのゲームにしてはあまりに心が抉られる内容で、よく企画が通ったなと思いました。本作で一番インパクトがあると言っても過言ではありません。数年後に新たな「ポケモンの都市伝説」として語られると思うとそれはそれで楽しみですが。もし、この文章を見ている方で未プレイ又はシーキンセツに行っておらず、今まさにシーキンセツで検索しようとしている方は、不快な思いをする可能性を認識したうえで検索してください(そういうのが苦手な方はやめておいた方がいいです)。任天堂の遊び心??

アクア団とマグマ団の協力シーンについては、(記憶が正しければ)gba版にはなく、敵だった者同士が共通の敵に対して協力し合う系の話が大好きな私にとってはたまらないシーンでした(しかも、どちらも悪?の組織なのに住民の避難のために団の総力を挙げて協力するというのがまたなんとも)。また、本作では事件後のアオギリの理想やイズミとの関係もきれいに描かれており、本当に良い追加シナリオだと思いました。

エンディング後のハルカとの戦闘についても、いい感じの曲とともにこれまでの冒険の振り返りとなるエンディングが終わり、静かな中でのハルカとの会話、からの突然の熱いBGMとともに始まる最初のライバルであるハルカとの戦闘という流れが本当に激アツで、本作で一番感動したシーンでした。演出とBGMが優れているという本作の特徴が最も顕著に現われたシーンであり、ハルカの使うポケモン構成も含めて、しっかりと冒険のラストにふさわしい、集大成といえるバトルになっていたと思います。本当に素晴らしかった!

エピソードデルタについては、一切事前情報なしでこのゲームをプレイしていたので、クリアしたなぁと余韻に浸っていたらいきなり始まったのでただただ驚かされましたし、いい意味で期待を裏切られました。私はダイパでポケモンの知識がストップしており、メガシンカについて全然知らなかったので、正直、メガシンカの秘密についてはそんなに興味がなかったのですが、シリーズをずっとプレイしてきたポケモンファンの方にとっては興奮ものだったのではないでしょうか。個人的には昔好きだったレックウザを再び仲間にできたので満足でした(ただ、バクオングの1発であやうく倒しそうになりかなり焦りました(なお、デオキシスも捕まえたかったのですがこっちはレックウザの1発でうっかり倒してしまいかなりショックでした)。ボスモンスターについてはもう少し強くてもよかったんじゃないかなと思います)。

演出について

上述したラストバトルの演出以外にも本作では随所で優れた演出がなされていますが、特に、四天王戦とチャンピョン戦のバトル場に入場する前のアニメーションが印象的で、ここでもやはり冒険のラストにふさわしい、特別なバトル感が演出されていて大変良かったです。

ダンジョン内のモンスターについて

本作はダンジョン(洞窟)がたくさんありますが、どのダンジョンにもゴルバット(序盤はズバット)がおり、ゴルバットの出現率が異常に高いため、ストーリー全体を通じて5分の1くらいはゴルバットと戦っていたような気がします(言い過ぎかもしれませんがそのくらい多いです)。しかも微妙に強い。この点もう少しどうにかならないものかと思うところでした。

gba版との関連、平行世界について

エピソードデルタのワープ作戦の危険性が説明されるシーンで、メガシンカが存在しない平行世界の存在について一瞬語られていましたが、それがgba版の世界を示しているのであれば、おもしろい設定にしたなと感心すると同時に、平行世界にもレックウザがいるであろうことは予想されるので(実際gba版で登場する)、万が一ワープ作戦で平行世界に隕石(デオキシス)がワープしてしまって、その世界にワープ技術がなくても、最悪その世界のレックウザがなんとかしてくれるのでは?と思ってしまいました(そのため、ワープ作戦を使うかは、この世界のレックウザで対処するか、別の世界のレックウザで対処するか(或いは単にこの世界の別の場所に飛ばされて終わるか、ワープ技術を持った世界に飛ばされそこでのワープ作戦によりうんぬんかんぬん……

と、あまり深く考えすぎるのもおもしろいけど良くないので、こういった考察は平行世界論に詳しい方に議論を譲りたいと思います(もしかするとこの点について本気で議論をしている方がインターネット上のどこかにいるかもしれない…)。

 

 

ここまで本記事を読んでいただきまして本当にありがとうございました。

また次回のレビューでお会いしましょう!

私はこれから空いた時間に少しずつ図鑑を埋めていこうと思います。。。