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ドラクエ5(sfc)

ドラクエ5(sfc)のレビューです。

基本的にストーリーの内容に関するネタバレは避けていますが、ネタバレを含むレビューを本記事の最後に掲載しているので興味のある方のみご閲覧ください。

本記事がこれからこのゲームを遊ぼうか迷っている方の一助となれば幸いです。

※注意:本記事はsfc版のレビューです。ps2版、スマホ版には妥当しない部分もあるのでご了承ください。

評価(5段階)

ストーリー ☆☆☆☆☆

システム  ☆☆☆☆

作りこみ  ☆☆☆

BGM      ☆☆☆☆☆

難易度   ☆

総合    ☆☆☆(基本的にps2版をお勧めします)

 

ストーリー

言わずと知れた超王道。しかし、他のゲームでは絶対に味わうことのできない面白さがこのゲームにはあります。

個人的には、ドラクエシリーズだけでなく、今まで遊んできたゲームの中で1番ストーリーが洗練されていると感じた作品です。

このゲームの特徴の1つとして、ストーリーが3部で構成されており、主人公のライフステージの変化に対応している点が挙げられます。他のゲームは、どのくらいのスパンで冒険しているのか明示されていないもの(言い換えるとほぼ時間の概念がないもの)や、主人公がやたら急かされている(メタルギアソリッドの24時間以内等)ものがほとんどであり、ライフステージの概念をストーリーに組み込み、2、30年スパンでストーリーが進行するこのゲームはかなり斬新であると思います。

しかし、冒険が冗長になることはなく(sfcの容量の問題かもしれませんが)、かえって3部構成によりストーリーにメリハリが付き、変化を楽しみながら飽きることなく最後まで遊ぶことができます。

ドラクエに限らずシリーズもののRPGは、ナンバリングを経る毎にいろいろなシナリオや展開が盛り込まれていき、ストーリーが冗長になるきらいがありますが、遊びやすさという点でもDQ5くらいがちょうどいいのかも知れません。

次に、恐らくこのゲームの最大の売りである、結婚イベントについて。

主人公がエンディングではなく旅の途中で結婚するゲームはDQ5くらいじゃないでしょうか。これもまたとても斬新です。

お嫁さんとなるキャラも見た目や性格、性能の点でしっかり差別化が図られており、いずれのキャラも未だに論争?がされるほどにプレイヤーの好みが分かれる、印象深いキャラになるよう設定されており、一層ストーリーの面白さを引き立たせます。

また、子どもの名付けやキャラの台詞回し等、敵味方問わず主要人物のキャラを立たせる演出が素晴らしい点も評価できます。

その他、ネタバレ回避のため具体的な言及は避けますが、序盤から随所に伏線が散りばめられており、伏線が回収されたときは本当に感動します。正直、この伏線の存在だけでストーリーに最高評価を付けたい。そのくらい感動します。

例によって、ストーリーの内容のネタバレを含むレビュー(ちょっとなぁと思うところ)については後述します。

 

システム

戦闘、装備システムについてはいつものドラクエ、一周回って安心感があります。

このゲームの最大の特徴である仲間モンスターシステムについてはもはや特筆すべきことはほぼありません。仲間モンスターの種類、性能差、加入時期や仲間になる確率等全て絶妙に調整されており、恐らく今後もこれ以上優れた仲間モンスターシステムを作ることはできないんじゃないかと思います(異論は認めます。特定のモンスターが相対的にちょっと優秀すぎる気がしないでもないです)。

作りこみ

sfcならではの可愛いドット絵が魅力的です(同じsfcである6と比べると若干粗いですが)。

サブクエストはないですが、代わりにカジノがあり、3種類のミニゲームを楽しめます(カジノの問題点については後述します)。この点、他のドラクエシリーズと比較しても充実している方であり(ps2版なら更に充実しています)、本作の魅力の1つです。

フィールドマップについてはいささか平坦であるという印象を受けましたが、ダンジョン内はおもしろいギミックや凝った演出がなされているものもあり、攻略していて楽しかったです。

もちろん、本作でもシリーズお馴染みのユニークな乗り物が複数登場し、移動手段にも変化が付くので一層冒険を楽しめます。ただ、後半の乗り物についてはあんまり(というかほぼ)使用機会がない(或いは使用する必要がない)のが少し残念でした。

本作でもちいさなメダルはありますが、景品交換に必要な最大メダル数が少なく、特定のモンスターからドロップすることもあり、ちいさなメダル集めは簡単になっています。

 

BGM

BGMについてはフィールドBGM、戦闘BGM等いずれも最高の一言に尽きます。

ドラクエシリーズはどのナンバリングもBGMについては当たりしかないですが、シリーズの中でも本作のBGMは特に優れていると思います(個人的には戦闘BGMの中では1番好きかもしれません)。

 

難易度

難易度については他のRPGドラクエシリーズと比較しても簡単な方だったかなと思います。裏ボス攻略も含めて、そんなに躍起になってレベル上げをする必要がなく、普通にストーリーを進めつつ、適度に戦闘をしていればクリアできるレベルかと思います(パーティに誰を入れるかによってはレベル上げを頑張らないといけないかもしれませんが)。特に、このゲームではお目当てのモンスターを仲間にするために寄り道しつつ戦闘を繰り返すことになるため、自然とレベルが上がるようになっています。

また、7の石板のような鬼畜要素もなく(あれはほんとに…)、村人も結構ヒントをくれるので、基本的に迷うことなくスムーズに進行できました。

(一箇所、村人が「北東にある」と言うのでマップの北東を散々探し回ったのに見当たらず、結局南西にあったということがありました。地球が丸いということなのか、誤植だったのか…)

 

問題点

sfc版の最大の問題点ですが、なぜかずっと3人パーティで進行します。序盤は3人でもまだいいと思うのですが、主人公に子供ができると、主人公は4人家族なので誰か1人メインパーティから外れます。さらに、少年期から一緒にいるペットもいるので、実質的に家族を2人外すことになります。加えて、本作では仲間モンスターも一緒に冒険するので、家族団らんパーティを組もうとすると序盤から一緒に冒険してきたモンスターをリストラすることになり、仲間モンスターを1人でもメインにすると家族が1人しか入る余地がなくなります。もちろんメインパーティを誰にするかを悩む楽しみはありますが、3人パーティはさすがに少なすぎるなと感じました。この点、ps2版では4人パーティになっています。

アイテムをいくらでも収納できる「ふくろ」がないことも、「ふくろ」があるナンバリングを遊んだことのあるプレイヤーからするとかなり不便に感じることと思われますが、これに関してはまぁ5がシリーズの進化途中にあるゲームであり仕方ないのだろうと思います。この点もps2版で「ふくろ」が追加されています。

また、カジノについて、カジノの高額景品に必要なメダルの数に比して、1回のミニゲームで獲得できるメダルが非常に少ない点も問題です。そもそもギャンブルなので(しかも設定が厳しめなので)真面目に遊んでも総合的にプラスになりにくく、プラスであったとしても大きく勝つことは難しいです。一応、メダルを安定して比較的大量に獲得できる裏技もあることにはありますが、高額景品を獲得するには数十回も同じ手順を機械的に実行しなければならず、精神的にもかなり厳しいです(しかも数時間頑張って1個しか手に入らないので)。私も途中までは挑戦していましたが、「この時間でレベル上げしたり、強い仲間モンスター捕まえに行ったりした方がいいのでは…?」と思い、諦めました。アイテムコンプ勢の方は是非頑張ってください。なお、ps2版やスマホ版では改善されているかもしれません(詳しくは他レビューを参照してください)。

 

総評

ドラクエシリーズの中でも1位2位を争う完成度で、ストーリーや仲間モンスターシステム、BGMのどれをとっても、他のRPGと比較しても特に優れています。

ただ、ps2版と比較すると、ps2版ではイベントや仲間モンスターの追加、大好評のすごろくの追加、戦闘時のアニメーション、BGMが豪華になる等大幅にリメイクされ、改善されているため、敢えてsfc版で遊ぶ必要性はそんなに高くないのかなと思います。

そのため、sfc版のドラクエ5については、ドット絵が好きな人、sfcならではのピコピコ音源が好きな人、過去にps2版をクリア済又は実況で見た人等におすすめしたいと思います。

なお、総合評価でps2版の方がオススメであるという意味で☆3つをつけましたが、個人的には大満足で☆5つです。

興味のある方は是非プレイしてみてください!

ここまで読んでいただきましてありがとうございました。

 

以下、ストーリーの内容に関するネタバレを含むレビューです。興味のある方のみご閲覧ください(未プレイの方には閲覧非推奨です)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒロインのイベントについて

賛否両論あるところではあろうが、個人的にはフローラのイベントをもっと増やすべきであったと考える。本作ではビアンカかフローラの2択から結婚相手を選択することになるが、ビアンカとは少年期に知り合い、序盤にしてはそこそこ難易度の高いレヌール城を2人で攻略し、成人期になってからはビアンカのお父さんに会って、家族事情やビアンカの出自の秘密を知り、一緒に水のリングを取りにダンジョンを攻略する等かなり長い時間一緒に冒険をし、かつイベント内容も濃いのに対して、フローラについては町でばったり出会ってほんの三言程度会話するイベントがあるのみであり(ps2版では少年期の追加エピソード等(これも少し会話するだけ)があるがsfc版ではそれすらない)、両者のイベントにあまりに差がありすぎはしないだろうか(フローラ派を否定する趣旨ではない)。もちろん、両者は見た目や性格、性能(覚える呪文の点でフローラが有利か)が全く異なり、プレイヤーの好みによってその点のいずれかを重視するならばフローラを選択するという判断もあり得ようが、イベント内容的には圧倒的にフローラの方が不利である(重ねて釈明するが、フローラ派を否定する趣旨ではない。もっと両者が公平であるようフローラのイベントがもっとあってもよかったのではないかという話)。極めつけに、街には恋敵となり得る男(一般モブより目立ったキャラ付けがされている)がおり、フローラがその男を看病するイベントまであり、果たして結婚イベントは本当に結婚相手を選択するイベントだったのだろうか(はなからビアンカを選択するように誘導されていたのでは)という疑念すら生じる。とはいえ、ちゃんとフローラも選択できるし、結婚後にはフローラ専用のイベントもあるわけであるから、ドラクエ5一大イベントとしての究極の2択として設定されているのだろう。そうであれば、もう少しフローラと結婚すべきか悩む要素が欲しかったものである。まして、リメイクされて花嫁候補に3人目が追加されたことの真意は本当に謎である。

ルーラについて

これは、私がドラクエの他の複数のナンバリングをプレイした後に5をプレイしたために感じたことかもしれないが、ルーラ取得のタイミングがもう少し早くてもよかったのではないかと個人的には思った(ルーラ取得のイベントは他のナンバリングと一味違っていて面白かった)。徒歩で移動し、戦闘を重ね、仲間モンスターを捕まえることを推奨されていたがためかもしれないが、オラクルベリー(カジノやモンスターじいさんがいるところ)に行きたいのにいちいち徒歩で移動しなければならず、多少不便に感じた。また、プレイヤーの進み方によっては、ルーラ取得はキラーパンサー加入イベント後になる可能性もあり、装備をそろえるためにそこそこ長い道のりを移動しなければならないという状況が生じることも予想される。

サンチョ・ピピンについて

ストーリー後半でサンチョとピピンをパーティに入れることができるが、彼らをパーティに入れたプレイヤーはどれほどいるのだろうか。終盤も近くなろうかというタイミングであり、仲間モンスターがかなり育ってきており愛着も沸いている上に、子どもたちが加入するタイミングであり、子どもたち(少なくとも勇者である男の子)を育てたいと考えるのが通常のプレイヤー心理だろうと思われる。当然そこでパーティメンバー選抜に悩むことになるが、そこにいきなりサンチョやピピンが(しかもステータスが特別強いわけではないのに)入る余地があるのだろうか。まだサンチョについては少年期から一応お世話になってきたため思い入れ(?)があるプレイヤーもいるかもしれないが、ピピンに関してはピピンが子どものときに一言会話した程度であり、ほぼ面識のない赤の他人である。せっかくプレイアブルキャラになっているのだから、もう少しステータスが特別に高かったり、特殊イベントが欲しかったりするところである。

 

以上、sfcドラクエ5のレビューでした。

ここまで読んでいただきまして本当にありがとうございました。

何週遊んでも新しい遊び方ができる素晴らしいゲームだと思うので、本記事を読んで懐かしい気持ちになった方は是非久しぶりに遊ばれてみてはいかがでしょうか。