ドラクエ4(ps)のレビューです。
先日ようやく裏ボスまで撃破したのでレビューしたいと思います。
本作を一言で表すなら、敵も味方も個性爆発といったところでしょうか。
基本的にストーリーの内容に関するネタバレは避けていますが、ネタバレを含むレビューを本記事の最後に掲載しているので興味のある方のみお読みください。
本記事がこれからこのゲームを遊ぼうか迷っている方の一助となれば幸いです。
※注意 本記事はps版ドラクエ4のレビューです。sfc版やds版には妥当しない部分もあるためご注意ください。
評価(5段階)
ストーリー ☆☆☆☆☆
システム ☆☆☆
作りこみ ☆☆☆☆☆
BGM ☆☆☆☆☆
難易度 ☆☆☆
総合 ☆☆☆☆☆
ストーリー
導かれし者達が勇者のもとに集っていき、世界を救いに行くお話。
大筋だけ見るとRPGとしては王道だが、ストーリーが初めから一本道ではなく、複数の異なるストーリーが合流して一本の大きなストーリーとなっていく構成が、ゲームでは珍しく、他のゲームでは味わえない面白さがある。
加入キャラそれぞれにしっかりとストーリーがあり、かつ、それぞれが主人公となって冒険するソロパートがストーリー全体の半分くらいを占めるゲームはおそらく本作くらいであろう。
同じようなコンセプトであるff6とは違った形で、「全員が主人公」である感じが表現されている。
また、ドラクエシリーズの中では珍しく、敵側にもしっかりとストーリーがあり(他のナンバリングではラスボスの目的が世界を支配すること以上の情報がなく、動機や具体的な侵略方法が分からないものが多い)、その分ストーリーの内容が濃いものとなっていると感じた。
加えて、本作では比較的暗いイベントが少なく(鬱イベントはあるが)、「はなす」コマンドによるキャラのユニークな会話も相まって、終始明るい雰囲気でストーリーが進行するため、気軽に遊べるのも魅力の1つである(もちろん賛否両論あるだろうが)。
システム
システムについてはいつものドラクエであり、特筆すべきことはない。
作りこみ
本作最大の魅力は、「はなす」コマンドにあると思う。
ps以降のドラクエでは「はなす」コマンドが追加され、イベントやNPCとの会話のたびにパーティーのキャラがそれに応じてそれぞれリアクションをしてくれるのだが、本作では登場キャラの個性がかなり強く、それぞれの個性がはっきり現れたリアクションをするため、わざわざ全てのNPCと会話しに行ってその都度リアクションを聞いてしまうほど面白い。
また、キャラのリアクションが進行上のヒントとしての役割を果たすこともあり、遊びやすくなっている。
特に、本作ではパーティーに加入するキャラが十数人とRPGの中ではトップレベルに多く、メッセージの量も膨大であるため非常によく作り込まれている。
フィールドマップ、ダンジョンについては比較的平坦、単純だった。
もっともストーリーの性質上か、街の数が他のナンバリングに比べてかなり多く、いろいろな場所に行ける楽しみがある。
さらに、本作では各キャラそれぞれに専用のBGMが用意されており、フィールドマップでは先頭キャラのBGMが流れるため、たくさんのキャラから誰をメインパーティーに入れるか悩む楽しみだけでなく、先頭キャラを誰にするかを選ぶ楽しみもある。
加えて、章ごとに少しずつゲーム性に差があり、この点でも工夫がされている。
作り込みについては、5段階評価だが☆6くらい付けたい。
BGM
BGMについてはいつも通り素晴らしい完成度である。
特に、マーニャとミネアのテーマであるジプシーダンスはシリーズ随一のかっこよさであり、ずっと聞いていたくなる曲である。
難易度
他のRPGやドラクエのナンバリングと比較すると多少難しく感じた。
というのも、本作ではブーメランのような敵に対して全体攻撃できる武器がほぼなく、複数の敵に対処することが比較的難しい。
また、やたら2回攻撃してくる敵が多く、運悪く同じメンバーに2回とも当たり、あっさり1人もっていかれる場面が多々ある。
さらに、息吹系の技を使うボスや雑魚敵が多いにもかかわらず、それに対応できる呪文(フバーハ)を使えるキャラが1人しかいないため、やはり戦闘で苦労する場面が多々ある。
そのため、戦闘面での難しさを所々で感じるが、レベルをしっかりと上げれば対処できる難しさではある。
他方で、ギミック等で難しいものはない。
問題点
キャラがたくさんいる割に装備の種類が少ない。
せっかく個性豊かなキャラが多く登場するのだから、せめてffのように各キャラに専用武器を用意してほしかったところである(一応専用武器があるキャラもいるが、いずれも最強武器ではなく、使う機会はそんなにない)。
その他、中盤から様々な場所に自由に行けるようになるのだが、中盤開始時からメタルキングの剣や時の砂といったゲーム内最強の武器や道具を入手できるようになっていたり、終盤レベルの敵とも戦えるようになっていたりと、冒険の仕方(寄り道の仕方)によってはかなりのバランスブレイクが起こってしまう。
これを問題点とみるかは人それぞれだと思うが、私の場合、探索が好きなので様々な街を開拓しているうちに意図せず上記のようなバランスブレイクが起こってしまい、その後の中ボス3人くらいがヌルゲーになってしまったのでちょっと残念だった。
ネタバレを含むものについては後述する。
総評
上述のとおり、本作は基本的に明るい雰囲気で進行するため、比較的気軽に楽しめるナンバリングではあるが、ストーリーがしっかりと練られており、作り込みもすごいため、RPGを遊び慣れている人にとっても十分遊び応えがあり、満足感を得られる完成度であると思う。
また、加入キャラがたくさんいるため、2週目以降も異なる遊び方ができる。
明るく楽しくRPGをプレイしたい方は是非!
なお、fc版には「はなす」コマンドがないため、特にこだわりがなければps版で遊ぶことを強くお勧めする。
ここまで本記事を読んでいただきましてありがとうございました。
本記事がこれからこのゲームを遊ぼうか迷っている方の一助となれば幸いです。
以下、ストーリーの内容に関するネタバレを含むレビューです。興味のある方のみお読みください(未プレイの方は閲覧非推奨です)。
通常エンドについて
本文でも述べたが、本作の魅力の1つとして敵側にもドラマがあり、ピサロとロザリーの関係が回想シーン等を通じて明かされていくたびに心に来るものがあり、世界は救われるが2人は救われないという通常エンドのやるせなさはすごかった。
6のラストでも感じたが、単なる純粋なハッピーエンドでは終わらせない、プレイヤーに複雑な感情を持たせる技術が本当に素晴らしいと感じた(もちろん賛否両論あるだろうし、だからこそps版では真エンド?が追加されたのだろうと思う。個人的には、真エンドも好きだが、通常エンドのような単なるハッピーエンドではないラストの方が、より深みのある、心に残る作品に感じられるため好みである)。
真エンドについて
2人とも救われるというラストで、これはこれで感動した(特にエンディングの追加シーン)が、主人公の村を滅ぼしたピサロが仲間になるという展開には、正直抵抗があった。特に主人公の村が滅ぼされるシーンはかなりのトラウマものだっただけに、なおさら滅ぼした張本人が普通に仲間になっているという状況には、事情があるとはいえ違和感があったし、ピサロが「あれは間違ってなかった」みたいな態度だったのもちょっとなぁと思うところであった。
天空シリーズについて
本作は、5、6とともに天空シリーズと呼ばれており、明示されていないものの随所で5、6との共通点を見つけることができる。
私は6→5→4と遊んだが、共通点を見つけたときはちょっと感動した。
4を遊んだ後は是非他の天空シリーズも遊んでみて欲しい。
ここまで本記事を読んでいただきまして本当にありがとうございました。
また次回のレビューでお会いしましょう!