ふくろうのゲームレビュー

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Wii sports サンドバッグの「仕様」考察

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はじめに

今回の記事はこのゲームを遊んでいない方にとってはとことん退屈な内容となっているため、あまり興味が湧かなかった方は遠慮なくブラウザバックしてください。

また、筆者の計測技術、機材の貧弱さから、計測方法やデータがなんか全体的にフワッとしているため、あくまで参考程度に。理系の方は温かい目で読んでください。

より正確に計測、分析できる方がいらっしゃれば是非ともお願いしたいです(筋肉と体力と根気も必要ですが)。

というかこんなことしなくてもソフト解析すれば一発なんでしょうけど…

 

 

「制限時間は1分」ではない

@wikiをはじめ、Wii sportsのサンドバッグを紹介するサイトでは、揃って「制限時間は1分」であると記載されています。

しかし、上記画像の通り筆者が計測したところによると、制限時間が1分であるのは0点の場合(サンドバッグに触らなかった場合)のみであり、「20点なら1分7秒」のように制限時間に変化が見られます。

もう一歩踏み込むと、得点と制限時間には少なくとも正の相関関係があります。

もっとも、YouTubeに上がっている52点の動画の制限時間と筆者が47点前後を獲得した際の平均時間とが同じ(いずれも約1分23秒)であったことから、「得点を稼ぐたびに制限時間が延長される」といった処理は行われていないものと考えるに至りました。


連続コンビネーションの成功…?

そこで、「連続コンビネーションの成功によって制限時間が延長される」という処理が行われているものと仮定して、以下の方法により連続コンビネーションの成功回数を稼ぐと制限時間時間が延びるのか比較実験を行いました。

本当は制限時間内で連続コンビネーションを全て成功させることができれば比較対象として優秀だったのですが、筆者にそこまでの技術はないためご容赦を。

計測は画面左上にタイマー表示〜「終了」表示まで。目視かつ手動で計測しているため1秒未満の誤差があります。

(連続コンビネーション;このゲームではボクシングの「ワンツー」のようにリズムよくパンチを打つことで大ダメージを与えられるというシステムになっている)

 

ルール

・基準:上記画像筆者による計測記録(当時の最高記録は47点、平均44点、連続コンビネーション失敗比較的多め、ちなみに後日意図的にミスを多くする方法により計測したところ、基準とおおよそ同様の記録が得られた)
・方法1:パンチの間隔を広げて確実に連続コンビネーションを狙い、全てのサンドバッグを最小回数で破壊する(おおよそ50点ペース、連続コンビネーション失敗回数も平均3回程度と少なめ)
・方法2:方法1と基本的に同じだが、連続コンビネーションを成功させやすい茶色のサンドバッグについてのみパンチの間隔を可能な限り狭める(間隔を狭めたがゆえに方法1に比べてミス多めだが、間隔を狭めた茶色以外ではほぼミスがないため「基準」よりはミス少なめ)

計測結果
40点(40点に達した時点で放置、いずれの数値も平均値(というか何回やってもほぼ一緒)、出現する茶色は31個)
基準:1分10秒
方法1:1分19秒
方法2:1分15秒
 
20点(20点に達した時点で放置、20点までに出現する茶色は12個、方法1と方法2ではいずれもミスの回数約1回と変わらず)
基準:1分7秒
方法1、2:全て1分11〜12秒の間

評価
40点の計測結果を見ると、連続コンビネーションの成功回数が多いと制限時間が長いという関係にあることがわかります。20点の場合における基準と方法1、2の比較においても同様。

 

仕様or処理落ち?

実は「連続コンビネーションの成功回数が制限時間に影響を与える」ことのみを証明しようとするならば、上記基準と方法1によるデータのみで足り、方法2のデータは必ずしも必要ではありません。

方法2を実施したのは、仮に連続コンビネーションの成功で制限時間が伸びるとすると、それはそういった隠れ仕様があるためなのか。それとも処理落ちの類なのか。ということをはっきりさせるためであります。

というのも、連続コンビネーションに成功すると、サンドバッグの体力ゲージが弾けるアニメーションが発生するのですが、その演出によって一時的にタイマー機能が停止し、制限時間が延長されたかのように見えるのではないか、と筆者は考えました。

そこで、方法1のうち茶色のサンドバッグに対するパンチのみ間隔を狭めることでこの演出をカットし(連続コンビネーション成功後次のパンチを打つと演出がカットされる)、連続コンビネーションの成功回数は方法1と同じだが演出時間が短い方法として方法2を実施しました。

もし演出時間が長い方法1の制限時間が方法2の制限時間よりも長ければ、少なくとも「連続コンビネーション成功回数による制限時間延長という隠れ仕様」以外に制限時間を延長させる要因があると言えますし、処理落ち説が有力であると言えそうです。

ところが実際に方法2を実施してみると、31個分もパンチ間隔を狭めるとどうしても丁寧にパンチを打つ方法1に比べてミスがはるかに多くなり、「方法1と方法2の連続コンビネーション成功回数は同じである」という前提が見事に崩れ、40点基準の比較は意味をなさないものとなってしまいました。筆者がTasさんだったら良かったんですが…

他方、20点基準の比較では12個分パンチ間隔を狭めるだけであり、連続コンビネーション成功回数が方法1と方法2でほぼ同じとなりました。

そしてその実験結果は上記の通り、どちらの方法でも全て1分11秒〜12秒の間に収まっており(試行回数合計20回以上)、制限時間は同一であると言えます。

ということは、制限時間延長は処理落ちではなくやはり隠れ仕様なのか…

ただ、今回の比較では惜しくも12個のサンドバッグ分の差しかないデータを用いており、31個分の差がある40点基準での比較であればまた違った結果になる可能性も否定はできません。


結局どうやってパンチを打つ?

なるほど、連続コンビネーション成功により制限時間が延長される仕様があり、演出をカットしてパンチの間隔を狭めても問題ないらしい。

じゃあ、パンチを高速で打って連続コンビネーションをガンガン決めればいいのかというと、現実的にはそう上手くいきません。

我々は人間なのでたった40個サンドバッグを壊す間にもミスをする上、Wiiのモーションセンサーがそこまで優秀ではないため、高速でパンチをすると誤反応をするリスクが高まり「リモコンを降ったのにパンチが出ない」といったことが多々起こります。

そして、このゲームで最も重要なのは確実に連続コンビネーションを繰り出すことであることは上記の通り。

結局、ゆっくりでいいので、1発ずつ確実に連続コンビネーションを出せるようタイミングを調整しながらパンチを打つことが高得点を出すのに有効な方法であると筆者は考えます。

茶色のサンドバッグであっても、真正面にサンドバッグが出現し、確実に破壊できる場合に限ってパンチの間隔を狭めるべきでしょう。

 

結び

最初に述べた通り、本記事における筆者の計測方法やデータは全体的にフワッとしており、決して正確性が高いとは言えないものであるため、あくまで参考程度に留めて下さい。

本記事の執筆をもって筆者はこの「仕様」の考察、実験を終了しますが、今後同じような検討を行おうとする方のために、現在筆者が気になっていることを下記に挙げます。

第一に、一口に連続コンビネーションと言ってもパンチの威力(どれだけ強くリモコンを振ったか)によって与えられるダメージに差がありますが、延長される時間にも差があるのか。

第二に、茶色のサンドバッグを一瞬で壊してしまう(ワンツーをほぼ同時に繰り出す)と、体感的に制限時間の延長が感じられないのですが、連続コンビネーションに成功しても制限時間の延長処理が行われない場合があるのか。

第三に、制限時間延長の条件が実は全く別のものではないか。例えば、「サンドバッグを最小回数で壊す」とか。

興味のある方に是非検討していただきたいところであります。

それから、現在サンドバッグの攻略法をまとめた記事を執筆中です。本記事より実用的な内容となっているため、得点が伸び悩んでいる方は合わせてお読みください。


最後になりますが、こんなマニアックな内容の記事をここまで読んでいただき本当にありがとうございました。

他のWii sportsのミニゲームと比べても人気のないサンドバッグですが、やり込もうとすればするほど面白くなっていくゲームである(と筆者は勝手に思っている)ので、本記事を通じてプレイ人口が1人でも増えると幸いです!


質問や意見交換がしたい方はお気軽に筆者のX(@Fukuroo15340)まで!!