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メタルギアライジング リベンジェンス 【PS3】

 

今回は、メタルギアライジング リベンジェンス 【PS3】のレビューです。

 

サイボーグ、刀、AI、巨大ロボといったロマンがこれでもかと詰まっており、とにかくカッコよさが追求されたゲームです。

基本的にストーリーの内容に関するネタバレは避けていますが、ネタバレを含むレビューを本記事の最後に掲載しているので興味のある方のみお読みください。

本記事がこれからこのゲームを遊ぼうか迷っている方の一助となれば幸いです。

 

 

評価(5段階)

ストーリー ☆☆☆

システム  ☆☆☆☆

作りこみ  ☆☆☆☆☆

サウンド  ☆☆☆☆☆

難易度   ☆☆☆☆

総合    ☆☆☆☆

 

ストーリー

舞台はサイボーグ技術が普及した世界であり、アメリカ大手軍事会社のある悪事を阻止するため自身の過去と向き合いながら戦うという物語です。

メタルギアシリーズではお馴染みのPMC(民間軍事会社)に加え、人身売買や政治といった社会的なテーマに斬り込んでおり、ところどころでメッセージ性を感じさせるストーリーとなっていました。

今作もユニークでキャラの立った登場人物が多く、特にラスボスは「上院議員を舐めるな」「俺はスポーツマンだ」などの迷言を言いながら攻撃してくるゲーム界屈指の魅力的なキャラとなっています。

シリアスな展開もありつつこうしたユーモアのある要素があるため、ストーリー全体として重くなりすぎないようになっていた点が良かったです。

なお、今作はメタルギア4後の世界が舞台であり、一部4を遊んでいないと分からない用語やキャラが出てくるものの、ストーリーの理解にはほとんど影響がありませんでした(筆者も4は未プレイです)。

 

システム

従来のメタルギアシリーズとは異なり、今作は近接戦闘がメインであり、基本的にスニーキングの必要もありません。

堂々と敵と対峙して戦うメタルギアです

戦闘システムについて

このゲームのアクションでは、単に1つのボタンを連打し敵をタコ殴りにするのではなく、強・弱攻撃の区別があり、スキルと呼ばれるコマンド技を駆使して戦闘を行うため、数ある3Dアクションゲームの中でも比較的戦闘に奥深さがあることが特徴です。

もっとも、コマンド技といっても本格的な格ゲーのような複雑なコマンドではなく、↑↓+□のような短いコマンドばかりであるため、筆者のようなコマンドに馴染みのないプレイヤーでも簡単に技を出すことができるため遊びやすかったです。

また、特にボス戦ではシノギと呼ばれるパリィ技が必須であり、一方的に攻撃しているだけでは勝てない仕様になっているため、攻略のし甲斐があるものとなっていました。

通常攻撃やコマンド技によるコンボがなされることを前提に設計されているため、非常に爽快感のある戦闘になっていた点も良かったです。

 

斬撃システムについて

戦闘中、敵を攻撃してゲージを一定値貯めると、スローモーションで敵を攻撃できる斬撃モードを使えるようになります。このゲームはベヨネッタを開発したプラチナゲームズが制作に携わっているため、全体的にベヨネッタの戦闘に似た戦闘になっており、特に斬撃モードはベヨネッタのウィッチタイムを強く彷彿させます。

斬撃システムにより、ダラダラとした戦闘シーンにならず戦闘に変化やメリハリがついており、とても良いシステムであると思いました。

また、敵の特定の箇所を斬ることで回復できるシステムもこのゲームならではで面白いと感じました。

 

武器・スキルについて

武器やスキル、体力上限などは敵を倒すことなどで得られるポイントを使って取得、強化するシステムであり、獲得できるポイントに限りがあるため、どの強化を優先して行うかについて自由度がありますが、選択の幅は狭く、PS3のアクションゲームとしては自由度が低いように感じました。

 

このように、今作はスニーキングミッションとガンアクションがメインであった従来のメタルギアシリーズとは大きく異なるゲーム性を有していますが、ところどころでスニーキングが推奨されるミッションがあり(スニーキングしなければ強敵との戦闘になるなど)、またシリーズお馴染みの仲間との通話要素もあるため、メタルギアらしさが完全に失われているわけではないと感じました。

とはいえ、往年のメタルギアファンによる「こんなのメタルギアじゃない!」という批判は免れられないだろうと思います。

 

作りこみ

攻撃モーションやアニメーションが非常に凝っており、特にボス撃破時のアニメーションがカッコよくこだわりを感じます。やはりここでもベヨネッタ的なカッコよさがあります。

画像のスキルのような、足を使って回転するモーションからもベヨネッタ的なカッコよさを感じ取れます

個々のマップは決して広くないものの、日本庭園や下水道などステージの種類が豊富である点が良かったです。

他方、ストーリーモードのゲームボリュームがかなり少なめであり(筆者のクリアまでの総プレイ時間は10時間弱でした)、手軽に楽しめるという点では良いですが、もう少しボリュームがあっても良かったのではないかと思いました。

 

サウンド

ゲームの雰囲気にあったスタイリッシュでテンポの良いBGMが多く、ミームで使用される有名な曲以外も名曲ぞろいで、今まで聞いたゲーム音楽の中では1位2位を争うほどのカッコよさであると感じました。

BGMを聞くためだけにこのゲームをプレイする価値すらあると思いました。

 

難易度

このゲームは難易度Normalであっても戦闘が難しく、特にボス戦は攻略法を見つけるまでは何度もリトライすることが前提の難易度となっています。

恐らく難易度を上げている最大の要因は、どのボスでも攻略においてシノギ(パリィ)が必須であり、その頻度が高く(どのボスも攻撃の手数が多いため)、またその判定が決して甘くないことにあるのだろうと考えられます。Normal以上の難易度ではシノギにアナログスティックによる方向入力が必須であり、3Dアクションであるためカメラワークにも気を使いながら、敵攻撃に対して正確にスティックを倒す技術が求められており、入力猶予もそれなりにシビアであるため、操作に慣れるまではシノギを成功させるだけでもかなり大変です。加えて、他の類似のゲームでできるような、「パリィをしなくても敵の攻撃を回避して背後に回り込めばダメージを与えられる」といった攻略方法が一部のボスを除きできない設定になっており、シノギができなければ倒せない仕様になっていることもこのゲームを難しくしています。

他方、シノギができるようになればどのボスも格段に攻略しやすくなり、またフロムゲーなどでパリィ技術を既に習得しているプレイヤーにとってはゲーム全体の難易度としてもそこまで高くないように感じられるかもしれません。

なお、ラスボスに関しては上記のものとは別の要因により難易度が高いものとなっていますが、ネタバレになるのでここでは記述しないこととします。

 

総評

設定、映像、サウンドのいずれもが非常にカッコいいゲームであり、映像作品としての完成度も高い良いゲームでした。

ベヨネッタシリーズが好きな方や、ゲーム性が似ているフロムゲーのような死にゲーが好きな方に特にオススメしたいゲームです。また、従来のメタルギアシリーズとはほとんど別ゲーですが、ところどころで往年のファンがにっこりするような小ネタも仕込まれているため、従来のメタルギアが好きな方でも楽しめるかと思います。

 

ここまで本記事を読んでいただきましてありがとうございました。

また次回のレビューでお会いしましょう!

 

以下、ネタバレを含むレビューです。興味のある方のみお読みください(未プレイの方は閲覧非推奨です)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレを含むレビュー

ボス戦について

あくまで筆者個人の感想ですが、個人的にはラスボスである上院議員よりもモンスーン(体がバラバラになるやつ)の方が難しいと感じました(ちなみに2番目に難しかったのはウルフです)。

もちろん上院議員戦は自由斬撃モードで斬撃の向きと位置を調整しなければならず、左右両スティックの操作が必要となる対策が難しい攻撃があるものの、強化を怠っていなければ時間的な猶予はそれなりにあり、攻撃箇所も固定であるため操作のコツさえ掴めば楽に攻略できます。また、回復アイテムさえあればある程度斬撃ターンで失敗しても倒せるようになっているという優しい設計です。肉弾戦については、モンスーンを倒せたプレイヤーにとってはほとんどパリィに失敗することもなく余裕をもって攻略できるかと思われます。

他方、モンスーン戦はとにかくパリィが要求される戦闘であり、連続パリィが必須となる初めての試合であるため対応が難しく、また、後半の手だけの攻撃や竜巻攻撃などは攻撃速度が高くパリィのタイミングも難しいことからとにかく攻略難易度が高いボスでした。

唯一の救いは回復アイテムを定期的に相当数落としてくれるため、なかなかゲームオーバーにならないようになっていることと、EMP爆弾が効くことですかね。

キャラとしては咬ませ犬以外の何者でもありませんでしたが、実力的にはこのゲーム最強だったのではと思います。