ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション版【Switch】のレビューです。
筆者はファミコンのロックマン2が大好きで、何度もクリアするほど遊んでいるため2頭身のロックマンにしか馴染みがなかったのですが、エグゼシリーズは5頭身くらいのロックマンであるためかなり新鮮でした。
従来のロックマンシリーズとは大きくゲーム性が異なるものの、敵の攻撃を避けながらロックバスターで倒すというロックマンの本質はしっかり活かされており、良い方向に生まれ変わったロックマンであると感じました。
なお、本記事はストーリーの内容のネタバレを含みませんので、未プレイの方も安心してお読みいただけます。
本記事がこれからこのゲームを遊ぼうか迷っている方の一助となれば幸いです。
評価(5段階)
ストーリー ☆☆☆☆
システム ☆☆☆☆☆
作りこみ ☆☆☆
サウンド ☆☆
難易度 ☆☆☆
総合 ☆☆☆☆
ストーリー
主人公である熱斗くんが相棒のロックマンとともに、悪の組織WWWの野望を止めるべく立ち向かうという友情もののストーリーです。
王道のストーリーですが、熱斗くんとロックマンの会話を通じて2人の絆が丁寧に表現されており、2人の掛け合いを楽しむことができます。
ロックマンというAIがいたり、あらゆるものがインターネットで繋がっていたり、小学校の黒板が電子黒板であったりと、発売当時からするとSFチックな世界観であったと思われますが、2023年現在の私たちから見るとAIを含めてロックマンがいること以外はもはやほとんど当たり前の世界であり、プレイしていて時代の変化を感じるとともに何か感慨深いものがありました。
これもレトロゲームを遊ぶ醍醐味ですね。
また、従来のロックマンシリーズでは現実世界でロボット同士の戦いを繰り広げていたのに対して、エグゼシリーズからはロックマン達はネットワーク上のプログラムとして存在し、戦闘も専らインターネット空間で行われるようになっており、インターネットが大衆に普及していったという発売当時のSF観の変化も感じられます。
ストーリー自体は決して長くはないものの、展開が多いことに加えてテンポもよく、良い意味でコンパクトにまとまっているという印象を受けました。
また、ラストには感動的な展開もあり、他のRPGのストーリーと比較してもかなり完成度が高いと感じました。
システム
このゲームは、現実世界で主人公を操作するパートと電脳世界でロックマンを操作するパートから成り、現実世界が一般的なRPGにおけるフィールドや街として、電脳世界がダンジョンとしての役割を果たしています。
電脳世界については、基本的に迷路のような構造になっているほか、ステージ毎に異なるギミックやパズルが設置されており、攻略しがいのあるダンジョンになっています。
1つのステージ内のパズルの数も丁度よく、くどさを感じることなくパズルを楽しむことができました。
戦闘については、上記画像のようにパズルゲームのような見た目のフィールドですが、常に敵の攻撃を避けつつタイミングよく攻撃を仕掛けなければならず、かなりアクションとしての性格が強いゲーム性になっています。
また、今作は従来のロックマンシリーズとは異なり、敵との戦闘や店で購入することにより集めたチップ(技)を駆使して戦闘するシステムであり、チップの収集力やチップの組み合わせにおける工夫、有利なチップを引く運といった要素も絡んでくるため、純粋なアクションゲームでは味わえない面白さがあります。
特に、敵の攻撃手段やフィールドの移動パターンは多種多様であるため、出現する敵に応じてチップを編成し、戦闘中も適切なチップを選択することが重要であり、このゲームの醍醐味となっています。
まさに、アクションゲームとカードゲームを融合させたシステムとなっており、エグゼシリーズならではのゲーム性を楽しむことができます。
加えて、戦闘はランダムエンカウント式ですが、雑魚敵については1度の戦闘が数秒~長くても1分程度で終わるようになっており、テンポ良くゲームを進めることができるという点で優れています。
その他のシステムの詳細については、文章のみでの説明が難しいため公式サイト等に譲ります。
作りこみ
チップの種類が170枚以上とかなり豊富であり、ユニークな技が多数用意されていることから、チップ編成の自由度が高いことに加えて収集の楽しみがあります。
敵も含めてキャラクターデザインが可愛い点も魅力です。
また、ロックマンシリーズで登場したブルースを始め、複数のボスが登場するなど、ロックマンシリーズをプレイ済みの方には嬉しいファンサービスもあります。
その他、フィールドについて現実世界のマップが小さく、行ける場所もストーリー進行上必要最小限に限られていた点が気になりましたが、おそらく容量の問題であり仕方がなかったのだろうと思われます。
サウンド
ロックマンエグゼではお馴染みのテーマがストーリー中の重要なシーンで重用され、ストーリーの盛り上がりが上手く演出されています。
ただし、作中の大半がこのテーマ曲と日常パートで流れるBGMの2種類で構成されていた点は少し気になりました。
難易度
戦闘については、アクションゲームであるためそれなりに反射神経が必要ではあるものの、チップ編成やロックマン自体の強化をしっかりすればそこまで難しくはなく、どちらかというと各ステージのギミックやパズルの方が難易度が高いように感じました。
特に、雑魚敵であれば攻撃パターンは1種類、ボスでも2種類程度と攻撃がほぼワンパターンであるため、攻撃パターンを覚えやすく、相手の攻撃に合わせて行動しやすいため、他のアクションゲームと比べて攻略しやすいです。
また、アドバンスドコレクション版ではロックバスターの火力を最大にするモードや最強のチップがゲーム開始時から入手できるようになっており、アクションに自信がない方でも十分にクリアできるようになっています。
ただし、雑魚敵戦も含めて戦闘で負けるとゲームオーバーとなり最終セーブからのやり直しとなるため、こまめにセーブをすることが必須です。油断してセーブを忘れると長い迷路を再度攻略するハメになったり、せっかく手に入れたレアチップを失うことになったりします(経験談)。
総評
ほとんど文句の付けようがない良作であり、シリーズ1作目にしてはかなりの完成度を誇っていると感じました。
1作目ということでゲーム内の要素は最小限ですが、そのコンパクトさがかえって遊びやすく、むしろ今作の魅力になっていると筆者は思います(本記事を執筆している現在、筆者はエグゼ2を遊んでいますが、この点は2と比較しても強く思うところであります)。
往年のロックマンファンの方にはもちろん、ユニークな戦闘システムを体験してみたい方にもおすすめのゲームです。
気になった方は是非遊んでみてください!
ここまで、本記事を読んでいただきありがとうございました!