
評価(5段階)
ストーリー ☆☆☆
システム ☆☆☆
作りこみ ☆☆☆☆
サウンド ☆☆☆☆
難易度 ☆☆
総合 ☆☆☆☆
良かった点
シンプルな構成でゲームのテンポが良い


本作では、「調合・採取・戦闘」の3要素を柱にゲームが構成されている。依頼を受けてアイテムを調合し、調合に必要な素材を採取し、調合したアイテムを使いながら敵と戦闘する。イベントや依頼をこなして採取できる場所や調合できるアイテムを増やす。これをひたすら繰り返すというシンプルなゲームである。
ゲームの形式は、ときメモなど初代プレステのシミュレーションゲームによく見られるもので、ほとんどコマンド選択のみで操作が完結する、1つ1つの要素が単純で分かりやすい、たびたび発生するイベントも短く簡潔でゲームの流れを邪魔しないといった特徴がある。
この単純さ、簡潔さこそがゲームのテンポを形作る上で重要であり、例えばイベントやゲームの要素をやたら大量に盛り込む、事あるごとに凝ったアニメーションを挿入するなどの工夫は、作り込みの観点からは評価できるものの確実にゲームのテンポを悪くし、プレイヤーがストレスを感じる原因となる。
この点、本作では、ゲーム内の要素が全て単純、簡潔であるが故に、調合→採取→戦闘のサイクルをサクサク進めることができ、非常にテンポ良くゲームが進行する結果、ストレスなく時間を忘れてゲームに熱中することができる。
マルチエンディングで周回プレイも楽しい
エンディングについて、初見で遊んだプレイヤーの多くが迎えるであろうノーマルエンドに加えて、特定のレアアイテムを調合することが条件のエンディングや戦闘を頑張って強ボスの討伐に成功したことが条件のエンディングなど、エンディングが複数用意されている。
そもそも本作ではクリア条件が設定されておらず、ゲーム内で5年経過したら強制的にエンディングを迎えるというシステムになっている。そのため、プレイヤーは5年間ひたすら調合を頑張るもよし、積極的に戦闘してレベル上げをするもよし、ただただサボり続けるもよし、といった具合に、ゲームの遊び方にかなりの裁量が与えられており自由度が高い。
そして、それぞれの遊び方や条件の満たし方によって迎えるエンディングが変わるため、別のエンディングを回収するためには1週目とは異なる遊び方をする、より効率的に攻略するなどの工夫が必要となり、2週目以降も楽しめる仕様になっている。
また、いくつかのエンディングでは、バッドエンドとまでは言えないが、やや引っかかる終わり方をするため、別のより良いエンディングを見たい=もう1週遊びたいという気持ちにさせてくれる。
気になった点
戦闘要素の作り込みが微妙
戦闘要素について、3Dの盤面を活かした独特な戦闘システムであることに加え、攻撃や回復、補助効果があるアイテムを調合して戦闘で使えるという特徴があり、一つのRPGとしてしっかりと楽しむことができた。
もっとも、戦闘要素の作り込みに関しては気になった点もある。
戦闘では基本的に、主人公の他に仲間を2人選んでパーティを作る。仲間にできるキャラはイベントをこなすたびに徐々に増えていくのだが、特に途中で追加されるキャラについて既存のキャラとの性能差をそこまで感じられず、追加されたキャラを使うメリットをあまり感じられなかった。
また、武器や装備の種類についても、隠し武器を含めても数種類しかないため、標準的なRPGと比べるとやや見劣りする。
ただし、本作における戦闘要素があくまでメインとなる3要素のうちの1つであることを考えると十分過ぎるほどのクオリティであると思う。
イベントを回収しづらい仕様
本作では、登場する各キャラにそのキャラを掘り下げるイベントが用意されており、あくまで調合依頼のオマケ的な要素ではあるものの、イベントを通じてゲームの穏やかな世界観をより楽しむことができる。
もっとも、何をすればイベントが発生するかはゲーム内で説明されず、発生条件もやや複雑であるため、攻略サイトなどを見ずに普通にプレイしているだけでは多くのイベントを回収できないまま終わってしまう仕様になっている。
イベントの発生が事実上ランダムになることによる面白さはあるものの、せっかく多数のイベントが用意されており、イベントによっては専用BGMも設定されているだけに、イベントを回収しづらいことにもったいなさを感じた。
総評
テンポ良くたんたんと調合や採取、戦闘のシミュレーションを楽しむことができるため、時間を忘れて攻略に没頭できるゲームである。スローライフを体験できるRPGはいろいろあるが、その中でもよりシステムのシンプルさを求める方にオススメできる。
なお、2024年現在では本作のリメイク版が発売されており、基本的なシステムはそのままに、グラフィックをはじめ複数の要素が現代向けにアレンジされたようである。
新しくなった本作ももちろん面白いだろうが、レトロな絵柄や雰囲気を楽しむことができる点で無印版にも今なお魅力がある。
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