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FF7(オリジナル版)【PS】レビュー

FF7(オリジナル版)のレビューです(インターナショナル版、リメイク版のレビューではありませんのでご注意下さい)。

筆者にとってはこれが2周目のプレイであり、今回はせっかくなので隠し要素を全て回収したり、できる限りやりこみ要素をやり込んだりと、1周目とは違った遊び方で十二分に楽しみました。

やはり2周目でもしっかり楽しめるのがFF7の魅力ですね!

基本的にストーリーの内容に関するネタバレは避けていますので、未プレイの方も安心してご覧くださいませ。

本記事がこれからこのゲームを遊ぼうか迷っている方の一助となれば幸いです。

評価(5段階)

ストーリー ☆☆☆☆☆

システム  ☆☆☆

作りこみ  ☆☆☆☆☆

サウンド  ☆☆☆☆☆

難易度   ☆☆

総合    ☆☆☆☆☆

 

面白かった点

壮大な伏線と秀逸な伏線回収法

ストーリーとその演出力の高さこそがFF7最大の魅力であると筆者は考える

今作では、主人公クラウドのある事件に関する記憶を軸に物語が展開し、徐々に事件の謎や秘密が明らかになっていくのですが、伏線の張り方とその回収の仕方がとにかく素晴らしい!

もちろん他のRPGでも細かな伏線や謎が散りばめられていることはありますが、今作では1つの伏線を物語の中心に据えることにより、ゲーム全体を通じて丁寧にその伏線が補強されていくため、ラストの種明かしによる衝撃はかなりのものとなっています。

また、読み物としての推理小説や単なるムービーとは異なり、RPGという特性を活かして回想シーンや伏線回収シーンでもプレイヤーにキャラクターを操作させ回想を追体験させることにより、伏線とその回収についてよりプレイヤーに没入感を与え、種明かしによる衝撃を一層際立たせる工夫が施されています。

特に、伏線回収シーンにおけるキャラ操作やキャラとセリフ文字の配置の仕方、画面構成は、「重要なシーンは全てムービーで済ませよう」とする傾向が未だなく、かつ3DCGを用いたゲームの黎明期に作られた本作だからこそ成し得た表現であり、他のRPGでは体験できない貴重なものであると同時に、本作の神秘的で哀愁感のある雰囲気にマッチした優れた表現技法として評価できます。

恐らくリメイク版ではこの伏線回収シーンもフルムービーになることと思われますが、筆者としては少しもったいなさ、もの寂しさを感じるところです。

 

マテリアによるロール分担の緩和

前作までのFFやドラクエなど多くのRPGでは、剣士と魔法使い、ヒーラーといった具合にキャラクターのロールが明確に分かれており、パーティー編成においてヒーラー役に1枠確保しなければならない、ロールが被っているから好きなキャラを使えないといった弊害がしばしばありました。

今作では、回復を含め魔法や特技を全てマテリアとして装備パーツとして自由に編成できるようにしたことにより、特定のキャラが特定のロールに固定されず、好きなキャラをパーティーに入れることができるためパーティー編成の自由度が極めて高いのが特徴です

また、全員を魔法キャラとして運用できるなど、戦闘スタイルの自由度も高いです。

ただし、キャラの基礎値や固有武器との関係(例えばMPMax時攻撃力3倍の武器)でシステム上魔法使い・ヒーラーとして運用するべきでないキャラも複数いるため、ロールの完全撤廃とまでは言えず、あくまで「緩和」にとどまります。

 

豊富なミニゲーム

育成レースやタワーディフェンス、潜水艦シュミレーション、宝探しといったミニゲームが盛りだくさんであり、今作以前に発売されたFFやDQなどと比較してミニゲーム数が多いのはもちろん、今作以降に発売された同ジャンルのRPGと比較してもトップクラスのミニゲーム収録数を誇っています。

しかも、各ミニゲームのクオリティが高く、報酬としてレアアイテムが貰えるなどインセンティブもしっかりしているのも嬉しいところです。

このミニゲームの充実具合も、FF7が特に人気の理由の1つであると思われます。

 

召喚獣の演出

派手な演出に少年心がくすぐられる

FFシリーズではお馴染みの召喚獣について、前作までは2Dであったため召喚獣を召喚しても1枚絵が出てくるのみであり、視覚的効果としてはやや地味なものでしたが、今作では召喚する度に召喚獣ごとの特殊ムービーが流れ、3DCGの召喚獣がド派手な攻撃をするアニメーションを見ることができ、これがまたとにかくかっこいいのです。

ただし、強力な召喚獣であるほど長いムービーが用意されており、ムービーだけで1分半程度あるものもあり、戦闘中のムービーとしてはやや長すぎる気もします。

 

その他、今作でも隠しキャラや隠し要素が多数あり、やりこみ要素も複数あるため、クリア後や2週目以降もFF7の世界を十二分に楽しむことができるようになっています。

 

気になった点

マップ内順路の分かりにくさ

ダンジョン内部のマップ背景についても今作から3DCGが用いられ、より立体的で現実感のあるマップとなっているのですが、同時に、一見して通路を通路と認識できない箇所が複数存在し、順路が分からずダンジョン内をひたすら彷徨う場面が所々ありました。

なお、インターナショナル版では順路に目印が置かれており、この点が改善されている。

 

総評

今作はとにかくストーリーが一級品なゲームであり、上述のとおり伏線の張り方や伏線回収が見事であるだけでなく、敵を含めて登場人物のキャラも魅力的で、ストーリー展開におけるシリアスとユーモラスのバランスもちょうど良く、まさに文句なしのストーリーであるといえます。

FFをはじめ、ストーリーが秀逸な作品は数多く存在しますが、筆者が「今まで遊んだゲームの中で1番ストーリーが良かったものは?」と聞かれたならば、自信をもってFF7であると答えるでしょう。

また、リメイク版ではスタイリッシュ感やクール感が重視された結果、オリジナル版の魅力であるユーモラス感や雰囲気としての「柔らかさ」が失われており、良くも悪くも全くの別ゲーになっているため、リメイク版を既プレイの方もオリジナル版を遊ぶ価値は十分にあると思います。

万人にオススメできるゲームであり、まだ遊んだことのない方はぜひ遊んでみてください!

 

ここまで本記事を読んでいただきまして本当にありがとうございました。

また次回のレビューでお会いしましょう!

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