ふくろうのゲームレビュー

主にレトロゲーのレビューをします

ファイナルファンタジー3(fc)

ff3(fc)のレビューです。

本作は私が初めて遊んだ王道RPGであり、色々な意味で思い出深いゲームです。

基本的にストーリーの内容に関するネタバレは避けていますが、ネタバレを含むレビューを本記事の最後に掲載しているので興味のある方のみお読みください。

なお、今回は試験的に本文中の口調を変えてみました。

本記事がこれからこのゲームを遊ぼうか迷っている方の一助となれば幸いです。

 

 

評価(5段階)

ストーリー ☆☆☆

システム  ☆☆☆☆

作りこみ  ☆☆☆

BGM      ☆☆☆☆

難易度   ☆☆☆

総合    ☆☆☆

 

ストーリー

クリスタルに導かれた4人の少年が、世界を旅して色々な人と出逢いながら、世界の謎を解き明かしつつ世界の破滅を阻止する物語。

中盤まではいまいち盛り上がりに欠ける展開が続くが、中盤以降、特に終盤の展開がアツく、これまで長い旅をしてきて良かったなぁと思わせてくれるイベントもあり、全体として見ると感動的な展開になっている。

他方で、主人公が全員無個性(設定がない)であり、基本的にイベントがパーティー外部の出来事であるため、ややストーリーとしての深みに欠ける。やはり、主人公に何らかの秘密があったり、パーティー内の結束等が描かれていたりする方がRPGのストーリーとしては面白い。なお、リメイク版では主人公に設定が追加されたらしい。

また、各キャラやNPCの発言量が少ないせいだろうか、全体的にイベントがあっさりしているという印象を受けた。

例によって、ストーリーの内容に関するネタバレを含むレビューは後述する。

 

システム

戦闘システム

ターン制、キャラ(本作ではジョブ)の固有技、前後列の使い分け等本作以降のffでも採用されている戦闘システムを本作で既に確立している。

特に、前後列の使い分けと敵のバックアタックはff屈指の運要素として、雑魚敵との戦闘でも緊張感があって面白い。

 

ジョブチェンジシステム

本作では、ストーリーが進み、レベルが上がるにつれて就職できるジョブが増えていくシステムになっており、4人それぞれにどのジョブを選択するか悩む楽しみがあり面白い。また、ボスによっては、特定のジョブをパーティーに入れておくと攻略が有利になる仕様になっているものもあり、ジョブチェンジシステムが敵との関係でも上手く作られていると感心した。

他方で、最強職が賢者と忍者(なんで忍者?)の2強であり、最終盤には「賢者2人+忍者2人」で進むプレイヤーがほとんどだと思われるが、せっかく4人パーティーなんだから最強職を2強ではなく少なくとも4強にした方がメンバーの個性が出て面白かったのではないかと思う。

 

魔法システム

他の多くのRPGではレベルアップにより魔法、呪文を覚えるシステムであるのに対し、本作では魔法は店で買うか宝箱から拾うものであり、限られたお金の中でどの魔法を買うか悩んだり、ジョブチェンジに応じてキャラ間で魔法を付け替えたりする楽しさがあり、本作特有の魅力の1つである(ff7のマテリアの前身のようなもの)。

また、ff7のマテリアと異なり、白魔法・黒魔法の区別があり、白魔法は白魔導士か赤魔導士(或いはその上級ジョブ)のみに設定できるといった具合に、ジョブチェンジシステムに対応し、同システムをより意味のあるものにしており、同システムをより楽しめるよう工夫されていると感じた。

 

その他

装備について、左右両手にそれぞれ異なる武器、防具を持てる点が選択の幅が広がり、また手に入れた様々な装備を使えるため、良かった。

 

作りこみ

ffではもはやお馴染みだが、本作でも複数の乗り物が登場し、登場シーンはとてもかっこいい。ffシリーズの魅力の1つである。

フィールドマップは、全体的にそんなに平坦ではなく(山や海、砂漠の配置、地形の凹凸等)、シリーズを通してみても、中身が詰まったフィールドであるという印象を受けた(一部スカスカではあったが)。

また、ダンジョンや町のマップでは、隠しアイテムや隠し通路があり、他のRPGと比較しても探索の難易度が高いため、探索し甲斐がある。

 

BGM

全体的に、フィールドではゆったりとした音楽が、戦闘では神秘的だが疾走感がある音楽が使われており、いずれも非常に耳に残るし、良いBGMだと思う。

ピンチのシーンや感動のシーン等、シーンに合わせてしっかりとBGMが雰囲気を作っている。

もっとも、ダンジョン内のBGMでは全音符や2分音符が使われているのだが、ファミコンのピコピコ音で長い音を作るために、短い音を連続させて長い音を表現するという工夫がなされている。これがかなり印象的なBGMとなっており、その工夫自体は素晴らしいと思うのだが、長いダンジョンでずっとそうしたBGMを聞いていると、音が多すぎてだんだんとつらくなってくるというゲームBGMとしては致命的な欠点を抱えている(あくまで個人の感想に過ぎないかもしれないが)。

言葉では説明が難しいので実際に聞いてみてもらいたい。いい音楽ではあるが、ずっと聞くにはつらいということの意味が分かる(人もいる)はず。

そういうわけで、このゲームのBGMは色々な意味で印象に残るものである。

 

難易度

基本的には他のRPGと同様に、ストーリーを進める過程で自然とレベルが上がり、極端にレベル上げをしなくてもクリアできる。

ただし、1度に出現する敵の数が多く、また前述した敵のバックアタックがたまに発生するため、雑魚敵相手でも苦戦又は全滅することがよくある。

また、ダンジョンギミック等もほぼなく、アイテムのためのルート分岐以外でダンジョンで迷う要素はほぼない。

もっとも、一部のボスでは特定の行動を選択しなければ進行しないものや、攻略が難しくなるものもあり(レベルが極端に高ければ別)、他のRPGと比較すると若干攻略難易度は高めである。

そして、本作最大の高難易度要素は、例の有名なラストダンジョンであるクリスタルタワーだ。

攻略に3時間以上かかるとも言われているにも関わらず、途中でセーブができない、ダンジョンから脱出もできないという歴代のRPGでも稀にみる鬼畜仕様である。

私の場合、攻略に何時間かかったかは覚えていないが、途中で何度か全滅し、コントローラーを投げそうになった思い出がある。

ただ、今ではクリスタルタワーは伝説となり、私を含めプレイヤーの間でもいい思い出(?)になっているため、異色のダンジョンとして案外悪くないものなのかもしれない。

 

問題点

ストーリー、ジョブチェンジシステム、BGM、クリスタルタワーの問題点については上述のとおり。

その他、ストーリー中、度々ゲストキャラがパーティーに一時的に参加することがあるのだが、基本的に参加も離脱もあっさりしており、参加中もゲストキャラが発言することはほとんどないため、キャラに対して思い入れがないまま離脱し、本来感動すべき離脱シーン等であまり感動できなかった。

 

総合

本作は全体として、ファミコンのソフトであるにも関わらず、しっかりとffとしてのクオリティを備えていると感じた。ffのファンであるなら十分に満足できる面白さであると思う。

他方で、7や9のような名作とされるナンバリングと比べると粗削りな部分も多く、特にストーリーに関しては(fcの容量の問題もあるだろうが)上述のとおり深みに欠ける部分が目立った。

それでも、他のfcのRPGと比較すると圧倒的に完成度が高く、個人的にはシリーズの中でも上位に入るほどの面白さであると思う。

ffシリーズが好きな方、クリスタルタワーに挑戦してみたい方には是非遊んでみてほしい。

 

ここまで本記事を読んでいただきましてありがとうございました。

本記事がこれからこのゲームを遊ぼうか迷っている方の一助となれば幸いです。

 

以下、ストーリーの内容に関するネタバレを含むレビューです。興味のある方のみお読みください(未プレイの方は閲覧非推奨です)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛空艇エンタープライズ

シリーズお馴染みで、いつもストーリーを大きく展開させる役目を持つエンタープライズであるが、個人的には本作のエンタープライズの使い方が一番上手かったと思う。

まさか最初のマップの世界が、実は広い世界の極一部にすぎないなんて!!

他のナンバリングでも終盤でマップが増えることはあったが、ここまでのインパクトはなかった(宇宙に行ったりもしたんだが…なぜだろう)。

あの展開は全く予想できなかったし、歴代のRPGの中でも5本の指に入るほどの驚きの展開だろうと思う。それほど驚き、感動した。

また、展開自体も、「巨大な飛空艇」という設定を十分に生かした内容になっていて良い。

記憶を消せるならあの感動をもう一度味わいたい。

 

ラストの展開

一度暗闇の雲に負けたところに今まで主人公が出会ってきた人たちが大集合したシーンについて、旅の終わりにふさわしく、BGMも相まって感動はした。もっとも、上述のとおりゲストキャラの参加離脱があっさりしており、一部キャラについてはあまり思い出がないため、また、クリスタルタワー含め全体として攻略に長時間かかるために、特に最初の方に出てきたキャラについては「誰だっけ」となってしまい、感動が半減してしまった。

容量の問題もあるだろうが、せっかくのいいシーンであり、各キャラとの交流がもっと深く描かれていれば、このシーンでそれぞれのキャラとの旅の思い出を思い出し、より感動するものとなっていたであろうと思われるだけに残念である。

 

ff14との関係

ff14にはff3の要素が多く取り入れられており、特にダンジョンとしてクリスタルタワーが出てきたときはかなりテンションが上がったと同時に懐かしい気持ちになった。

もし、本記事を読んでいる人の中にff3は遊んだことがあるが、ff14は遊んだことがないという方がいれば是非おすすめしたい。

なお、後日ff14のレビューでも書くが、ff14蒼天のイシュガルド編から一気に面白くなるため、新生エオルゼア編で「あんまりだなぁ」と思った方でも(私がそうだった)、騙されたと思ってストーリーを進めてみてほしい。

 

 

ここまで本記事を読んでいただきまして本当にありがとうございました。

また次回のレビューでお会いしましょう!

 

他のファミコンソフトのレビューはこちら

retrog.hatenablog.jp